【青山裕企写真展「少女礼讃 大阪展 ~純粋に真じる~」】

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Statement


もっと、青臭く、泥臭く、青二才な頃の、僕の心が顔を出して、
超下手だけど、超エモく撮れていたはずの自分が、うらやましくなる。

これから私は、“少女”を礼讃(らいさん)の気持ちで、撮りたい。


私は、1998年(二十歳の時)に写真をはじめて、
昨年(2018年)に、不惑の年を迎えた。

「ソラリーマン」と「スクールガール・コンプレックス」というふたつの作品において、
“記号と個性”をテーマとして、人を撮り続けている。


どちらも、撮り集めてゆくことによって、
個性を表出させたり、記号性を抽出したり、
おおよそマクロ的な視点でもって、人をとらえようとしてきた。

昨年の夏、ひとりの女性に出会った。
名のあるモデルでもなければ、撮影経験もないという。

はじめて撮影したときに、
「この子を、“少女”として撮り続けたい」
そう、直感的に思った。

撮りながら、気づき、考え続けることになるのだけれど、
この子には、“少女らしさ”が、眩いほどに詰まっている。

それらは、私たちが押しつける“理想の少女”だけでなく、
剥き出しになった”少女自身”の姿でもあるのだ。

どこまでも、ひとりの“少女”を撮り続けてゆく、撮り深めてゆくなかで、
私は、人を撮ることの深淵に、飛び込んでいきたい。


青山 裕企


Commentary

少女礼讃という作品と初めて出会ったのは、あるSNSの少女礼讃アカウントでした。

そのアカウントには撮影者の情報はなく、ただ「少女礼讃」という作品名と共に、一人の少女を見つめ続けるまなざしがあり、その作家が青山裕企氏だと分かったのは、しばらくたってからだった。
私写真のようでもあり、モデル撮影のようでもある写真がUPされ続けるそのアカウントに出会った時の、あのエモく撮っていた頃の自分の写真が懐かしくなるような、少しくすぐったい、でも忘れてはいけないあの気持ちを今でも覚えている。

今作品を青山氏は「極私的作品」とし、被写体である「少女」の素性や関係性は非公開であり、鑑賞者はその写真から関係性を読み解く他ない。

この「明かされない素性と関係性」に加え、「少女」自身の被写体としての魅力、そして青山氏の経験に裏付けられた技術やセンスが、少女礼讃という作品に「記号的でありながらも、極私的な作品」という特徴を与えているのではないだろうか。

青山氏は今作品を、写真を撮り始めたときの初心に立ち返ると共に、「徹底的に撮らなければ、これからの自分自身の写真表現は、殻を破れない。」と言うように、自身の写真表現の進化のための作品として位置付けており、その向上心に脱帽すると共に、今後の作品にも注目し続けていきたい。

なお、「少女礼讃」展は、3月18日から茨城・つくばのつくラボ、3月24日から東京・渋谷のVILLAGE VANGURD MAGNET by SHIBUYA 109 5F、4月20日から早稲田のユカイハンズ・ギャラリーを巡回し、5月25日から大阪の当ギャラリーで開催となる。

これらの巡回展はすべて異なる内容で構成されており、当ギャラリーの展示内容は、未公開作品を多数含む数百点という膨大な数の作品で壁面が埋め尽くされる予定。

会場となるリヴィエールでは、発売された写真集「少女礼讃 Ⅰ」に加え、少部数で制作されている私家版の写真集(10種類)、各種プリント作品も販売される予定。

今回の展示に至った背景には、過去に開催した展示の告知等によりリヴィエールを認識してくださっていたことや、少女礼讃という作品についてSNSのリヴィエールアカウントで発信したことが目に留まったとのこと。

様々な幸運が重なり、このような貴重な機会を頂けたことを心より嬉しく思います。

今後もリヴィエールは、招待展示を行い、ギャラリーとして写真のみならず様々な表現活動を行う若手作家をバックアップするとともに、暗室としてフィルム写真に関するワークショップなどを積極的に開催して参ります。


リヴィエール

Biography

青山 裕企 / Yuki Aoyama

写真家

http://yukiao.jp


1978年 愛知県名古屋市生まれ
2005年 筑波大学人間学類心理学専攻卒業
2007年 キヤノン写真新世紀優秀賞受賞
2015年 ユカイハンズ・ギャラリー開廊
2016年 ユカイハンズパブリッシング設立
現在、東京都在住


サラリーマンや女子学生など“日本社会における記号的な存在”をモチーフにしながら、
自分自身の思春期観や父親像などを反映させた作品を制作している。
日本ならではの人間関係の複雑さを、シンプルなビジュアルで世界に伝えることを目標としている。


作品に「ソラリーマン」「スクールガール・コンプレックス」など。
著書に「<彼女>の撮り方」「僕の妹は、写真家になりたい。」「むすめと!ソラリーマン」「髪は短し 恋せよ乙女」「ネコとフトモモ」など。
吉高由里子・指原莉乃・生駒里奈・オリエンタルラジオなど、時代のアイコンとなる女優・アイドル・タレントの写真集の撮影を担当している。


〔写真集〕
写真集「少女礼讃 Ⅰ」
価格:3,000円+税
発行:ユカイハンズパブリッシング
ISBN:978-4-908942-17-4
500部限定


Access

Galerie de RIVIERE
/ ギャルリ・ド・リヴィエール

〒564-0062 大阪府吹田市垂水町3丁目1-17 リヴィエール2F

info.riviere@urdarkroom.com


営業時間

金・土・日・月曜日
12:00~19:00(入場は18:30まで)



定休日

火・水・木曜日


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