【リヴィエール所蔵展「RIVIERE Collection 2019」】

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Commentary

この度、リヴィエールの所蔵作品を展示する「RIVIERE Collection 2019」を開催致します。

今回の展示作品は、三保谷将史氏の作品を数点展示致します。

従前から交友のある三保谷氏が2019年8月に東京で開催した個展「Images are for illustration purposes」。
この展示に向けて制作された作品プリントのうち、一部の制作環境をリヴィエールが提供。
その返礼として複数作品がリヴィエールに寄贈されました。

今展示では、寄贈されたプリントに加え、三保谷氏からリヴィエールが購入した作品も展示致します。

会期中には三保谷氏を講師に招き、「引き伸ばし機を使ったカラーフォトグラムワークショップ」を開催いたします。

「引き伸ばし機を使ったカラーフォトグラムワークショップ」の詳細情報・参加予約はこちら。

今後もリヴィエールは、ギャラリーとして様々な表現活動を行う作家の支援するとともに、暗室としてフィルム写真に関するワークショップなどを開催して参ります。


リヴィエール

Statement


コンビニやスーパーマーケットに並ぶお菓子や日用品、そのパッケージに印刷されたイメージ写真を素材に、カラーの暗室で制作している。チョコレートの箱であったり、冷凍食品の袋といった類のものへ、写真のネガと同様に光を透過させる。物質を経由する光は、その材質や、折れ目やシワといった状態もイメージに変換し、また色は反転し定着される。もともとの文脈からも切り離されることで、本来容易に連想できたはずの具体的な情報はすでに無く、不可解な像だけが印画紙に残る。


光の性質の点から見れば、たとえば反転した色彩は、物体に吸収されて私たちの目には届かなかった、いわば光の裏側であり、サーモグラフィーなどのように現実との物理的な接点を持つ光景とも言える。その意味で印画紙は、視覚媒質としての光を受け取るチャンネルが無数にあることの隠喩を写しているようでもある。引き伸ばしやフレーミングが掛け合わされ、対象を包括していた概念から切断された結果としての分からなさに、もとはそれを分かっていた私達という主体の、その認識構造もかさなる。自然選択された生物の柄や形状、生態などがその環境自体を物語るように、大量生産される印刷物に潜在する不可解な像は、消費社会という名の自然を、たとえば網点の配列や、おいしそうな形といった表象によって映し出すいきもののようにも思える。


写真を続ける理由に、こどもだった頃の虫取りの記憶はよく心当たる。身近に存在する不可思議なそれらを体験的に、また他者との共有も通して多角的に認識していく一連が似ているし、暗室で出会うこれらのイメージに、まるで生まれてはじめて見た虫のように惹きつけられる感覚がある。それは当時目に焼き付け続けていた多様な色彩と形象のパターンの集積が創出する特徴量であり、一枚の版のようなものとして、自分の目に映る日常の風景を、今も見続けている。そうした視覚の原体験はまた「みえている」ということ自体への興味としても今に続いている。


Biography

三保谷 将史 / Masashi Mihotani


1987年生まれ
2015年ビジュアルアーツ大阪 写真学科 夜間部卒業
現在、京都の現代アートレジデンス河岸ホテルを拠点に活動
京都造形芸術大学 通信写真コース非常勤講師


受賞歴に、2018年度JAPAN PHOTO AWARDほか、TOKYO FRONTLINE PHOTOAWARDファイナリスト、HARIBAN AWARDショートリスト。アートフォトマガジン IMA vol.26 掲載。直近では個展の他、国内外のグループ展に参加。ファッションブランドEditionへの作品イメージ提供や、雑誌STUDIO VOICEの撮影参加など活動の幅を広げている。


Access

Galerie de RIVIERE
/ ギャルリ・ド・リヴィエール

〒564-0062 大阪府吹田市垂水町3丁目1-17 リヴィエール2F

info.riviere@urdarkroom.com


営業時間

土・日曜日
12:00~19:00(入場は18:30まで)



定休日

月~金曜日


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